
『新潟カツ丼 タレカツ』/代表取締役 阿部 信明
新潟大学卒業後、シンクタンクでコンサルタントとして従事。 中小企業診断士の資格をもつ。1997年に北米型住宅技能者育成サービス事業を開始。その後事業売却を経て2000年に大手IT関連企業に入社。新規事業開発や経営管理を担う。2007年に「新潟カツ丼 タレカツ」を開店、株式会社 ラグーンインターナショナルを設立。
素材の味わいがシンプルに伝わるメニューだからこそ、お米選びが大切。
新潟名物タレカツの揚げたてカツと甘辛いタレに好相性なのは新潟県産米。
『新潟カツ丼 タレカツ』は、代表取締役・阿部信明さんが2007年に創業した新潟カツ丼の専門店です。新潟カツ丼は一口サイズのカツを甘辛い醤油だれにくぐらせご飯にのせたもの。新潟市で生まれ育った阿部さんには慣れ親しんだ味でしたが、創業当時の東京ではほとんど知られていなかったそうです。そうした状況から創業し、現在では東京都内9店舗、関西2店舗、お客様の7割近くがリピーターになるほど認知されるようになりました。またコロナ状況下でも宅配専門店舗を開発されるなど、新潟名物タレカツを広く発信されています。「カツ丼としてはユニークだったんでしょうけど、一度食べれば特別な味ではなくて日本人が好きな甘辛い味。また食べたいと思っていただけたようです」と阿部さんは話します。
「来店される方の年齢層は小さなお子様から90歳まで幅広いですね。女性4割、男性6割というところでしょうか。関西方面では、食の町・京都にも出店しました。まとめて購入してくださる法人さんがいたりなど、コロナ禍でも懇意にしていただいて。タレカツを受け入れていただけそうな感触がありました。今後も力を入れていきたいと思っています」。

米と豚肉。素材の味わいがシンプルに伝わってくるメニューだからこそ、素材選びを大切にされているという阿部さん。「豚肉は『和豚もちぶた』を使っていて、多店舗展開していますが、いわゆるチェーン店のようにセントラルキッチンで作るのではなく、各店舗で豚肉をたたくところから始めます」。店舗数を増やすこと以上に品質を重視し、良い素材を使って手間を惜しまない。そうした調理への誠実さも含め、『新潟カツ丼 タレカツ』はお客様に支持されているのかもしれません。
またタレカツ丼は温かいものはもちろんですが、冷めるとタレを吸って少ししんなりしたカツとごはんが合わさっておいしいメニュー。以前百貨店の催事にタレカツ丼を出したときには一番人気があったのだとか。催事のときは総菜としてのカツ、ご飯単品という形でも販売したところ、『新潟県産米』という点に惹かれたのかご飯単品も好評だったそうです。

阿部さんが米選びで重視したのはタレとの相性。タレカツには新潟米のこしいぶきを合わせています。「コシヒカリも検討しましたが、タレと合わせると粘りが出すぎてしまうところが気になりました。その点こしいぶきは、タレと合わせたときに、粘りが出すぎず、あっさりとして癖がない味わい。カツ丼にしたときにバランスが良いと感じました。価格面でも非常に使いやすいです」と阿部さん。
現在は米をどのように仕入れているか伺ったところ、新潟県主催のマッチング商談会で知り合った新潟県内の米穀店からも仕入れているとのこと。「米穀の販売をやりながら田んぼを持つ生産者でもあって、新米の時期になるとすぐに新米を送ってきてくださったり動きが速いですし、直接取引ができるのでコスト的にも少し抑えられるようになりました」と生産者から仕入れるメリットを感じているそうです。

その米穀店さんから紹介してもらった新潟県栃尾産のコシヒカリは、平日夜間とデリバリー用の弁当のみで提供しているトンカツに使用しているそう。「油揚げが有名な栃尾は伏流水があって水がおいしい地域なのですが、水がおいしいところはお米もおいしいです。お客様からの評判も非常に良いですね」。
『新潟カツ丼 タレカツ』本店
所在地:東京都千代田区西神田2丁目8−9
TEL:03-5215-1950
