
日本料理 空海 本店/オーナーシェフ 佐藤 知良
18歳から料理の道へ。割烹や日本料理店、ホテルで料理長を経験し、料理学校の講師を経て『日本料理 空海 本店』をオープンする。このほか、天ぷらに特化した『天ぷら空海』、息子さんが腕をふるう日本料理店『別亭空海(離れ)』の計3店舗を展開する。
理想のお米が見つかる『新潟米倶楽部』で
生産者と繋がる重要性を実感。
『日本料理 空海 本店』は、オーナーシェフ・佐藤知良さんが2002年に開店。ランチでは寿司や丼のセット、夜はコースと単品も楽しめる使い勝手のよさから、家族との食事や会食など、多彩なシーンで親しまれています。「美しくおいしい四季折々の本格和食をお出しできるよう努めています」と佐藤さんは話します。
「お米は日本料理の基本」というだけあって、使うお米も厳選。「粘り、粒が大きいこと、香りのバランスを見て選んでいます。もとは米店のブレンド米でしたが、おすすめされたのをきっかけに新潟県・魚沼産のコシヒカリに替えました。つややかで香りいい炊き上がりが気に入っています」。そのおいしさを最大限に生かすため、洗うときは両手でこするように“拝み洗い”。「ザルの中でかき回すように洗うと、米粒が割れて炊き上がりが全然違ってきますし、香りも立ちません。さらに冷たい水で洗うほうが、お米にじっくりと水分が行き渡りふっくらとしたご飯に仕上がります。ひと手間かけるだけで、ぐっとおいしくなるんですよ」。
魚沼産のコシヒカリを採用してから、以前よりもお客さまから「お米がおいしい」という声を聞くようになったとか。「おいしさはもちろん、『新潟県・魚沼産』というブランド力も改めて実感しました。『新潟米倶楽部』で新潟米の品種一覧を見たときも思いましたが、新潟県は国内きっての米どころというだけあって、品種が豊富で選択肢が多い。料理人としては、そういった点も新潟米に惹かれる理由です」。
そこで佐藤さんに、食べたことがないという新潟県産の『こしいぶき』、『ゆきん子舞』、『みずほの輝き』を試食していただきました。

「つやっと香りいい『こしいぶき』は、『コシヒカリ』に近い印象を受けました。3つのなかでも粘り気があり、よくできているお米ですね。
対する『ゆきん子舞』はあっさりした味わいで、粒はしっかり。おにぎりと相性がよさそうなお米で、タレをかけるような丼にもいいです。
『みずほの輝き』については「さっぱりしていながらほどよいもっちり感があり、冷めても風味が安定していました。僕が使うなら雑炊かお弁当ですね」
「こうした味わいは食べないと分かりませんが、『新潟米倶楽部』ではお米の特徴やおすすめの調理法も調べられるので、試す前にある程度品種を絞ることができるのが便利。生産者さんの連絡先も載っていますから、直接連絡できるのもありがたい」。
「いまは仕入れるときにお米屋さんとFAXでやり取りするだけなので、今年の出来はどうだったとか、細かい情報が得られないんですよ。なのでリアルタイムに栽培状況を聞いたり、こちらからフィードバックするという意味でも生産者さんとの繋がりは大事だと痛感しています。くわえて、その人が作っているお米以外の農産物もすすめていただけるなど、プラスアルファの情報が得られるのではないかという期待もありますね」。
「さらに言えば、どんな風に作っているかを写真や動画で見られるのもうれしい。田植えは機械が入れない場所は人力でやらなければいけませんし、お米作りは繊細で大変な仕事。そうした現場の様子も届けていただけたら、仕入れる側としてはより気持ちが入ります」
最後に「お米は日本人にとって、欠かせない食材」と佐藤さん。

「そもそも僕らは農耕民族なので、穀物に適した体の造りになっています。西洋文化も入ってきた現代はパンを食べることも増えましたが、湯気の立つお茶碗を持ったときの高揚感は何ものにも代え難い。今回お米を試食しながら改めて、料理を通してお米のおいしさを伝えていきたいとしみじみしました。そのためにも、お米にはこだわり続けていきたいです」。
日本料理 空海 本店
所在地:神奈川県横浜市中区弁天通り1-15-1 B1
TEL:045-641-9039